今回のブログでは3Dプリントの品質を向上させる機能の一つである
プレッシャーアドバンスという設定について解説していきます。

プレッシャーアドバンスとは

Pressure Advance(プレッシャーアドバンス)は、3Dプリンターの上級者向け機能の一つです。
Duetを含む多くのプリンタのファームウェアで有効化することができます。

この機能は、フィラメントの押し出し量を動的に調整し、プリンタの移動速度や加速度に応じて最適な押し出し量を計算することで、品質の向上を目指します。

一般的に知られる流量調整は、プリント時にすべて共通の設定が使用されますが、プレッシャーアドバンスは動的に押出量が自動で調整されます。
そのため、より細かい調整ができます。


プレッシャーアドバンス機能が必要になるわけ

3Dプリンタの移動速度と材料の送り出しの速度はバランスが重要です。

モデルの中でも直線の部分などは、プリントヘッドは高速で移動します。
エクストルーダーは、プリントヘッドの移動速度に合わせてフィラメントを高速で押し出しだします。このとき、フィラメントが急激に押し出されることでノズル内の圧力が高い状態になります。

高速で移動していたプリントヘッドは、モデルの角やシームラインにの近づくと減速します。
それに伴い、エクストルーダーはフィラメントの押し出し量を減らしますが、ノズル内部には圧力が残った状態になります。

この残った圧力がフィラメントを押し出し続けてしまうため、モデルの角やシームライン部分で材料が過剰に押し出されてしまいモデルの品質に悪影響をもたらします。

プレッシャーアドバンス機能はこれらの圧力の変動を計算し、安定した押し出しを実現します。
その結果、仕上がりのクオリティが向上します。

設定については共通ではなく、フィラメントの材質や造形するモデルの形状などによって適正な値を見つける必要があります。
しかし、プレッシャーアドバンスを過剰に設定してしまうと、今度は押し出し不足などの問題が発生する可能性があるため、慎重に設定する必要があります。

まとめ

プレッシャーアドバンス機能を試すことで、特定の素材やデザインに合った最適な値を見つけることができます。
また、複数のフィラメントを同時に使うプリントでは、プレッシャーアドバンスがフィラメントの切り替えを同期させ、切り替え時に起きやすいゴミや糸引きの発生を抑制するのにも役立ちます。

プレッシャーアドバンス機能をマスターすることは、プロフェッショナルな品質の3Dプリントを達成するための貴重なスキルです!

次の記事では、実際どのように設定するのか、その手順について解説します!


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