3Dプリンタで新しい材料を使用する場合や、品質向上のために行う検証など、
何度も造形を繰り返すといった経験が一度はあるのではないでしょうか?

私も前回のブログの検証では合計10回以上、細かな設定変更しながら造形を繰り返しました。

このような時、どの項目を変更したのか忘れてしまい、
再び同じ条件で造形を行ってしまうことがあり、材料や時間の無駄につながってしまいます。

そのため、多くの人はメモを残して造形条件を保存していると思いますが、
PrusaSlicerは、設定項目が数多く用意されているため
毎回全てをメモに残すしておくというのは手間だと思います。

そこで今回は、前回の検証で私が使用していた
造形条件の管理をExcelで自動で行えるようにする方法についてご紹介したいと思います。

スライスソフト : PrusaSlicer Ver.2.8.1

造形条件をExcelで自動管理する手順

今回の方法はPythonを使用してPrusaSlicerでGコードを出力した際に、同時にExcelへその時の造形条件を書き出すスクリプトを作成します。

手順① : Pythonをダウンロードする
→MicroSoft Storeから最新のPythonをダウンロードします。

手順② : ライブラリをインストールする
コマンドプロンプトを開き、下記のコードを入力後、Enterを押してください。
ライブラリがインストールされます。

python -m pip install  shapely numpy matplotlib numpy-hilbert-curve

手順③ : 任意のローカルフォルダを開き、下記のPythonファイルを保存する。

手順④ : python3.13.exeファイルをインストールした場所のファイルパスとスクリプトファイル(prusa_excel.py)を保存した場所のファイルのパスをそれぞれPrusaSlicerに入力する。

入力場所 : プリント設定 → 出力オプション → ホストプロセス・スクリプト

記載例)

※このとき、PrusaSlicerの表示モードをエキスパートモードにしておく必要があります。エキスパートモード以外では上記の項目が表示されません。

これで、設定完了です。

使用方法

書き出されたExcelファイルは、スクリプトファイルが保存されたフォルダ内に保存されます。
デスクトップなどのローカルフォルダ内のどこでも指定できます。

これまでと同じようにプリントの設定を行い、G-codeをエクスポートしてください。
エクスポート後、上記のフォルダ内に自動でエクセルファイルが保存されます。

最初に保存する場合、自動でエクセルファイルが作成され、すでに同名のエクセルファイルが保存されているときは、右側に内容が追加されていきます。

出力されたExcelデータ

これらの名称はPrusaSlicerの下記の位置に表示されるの名称と紐づいており、
この項目で指定された値が自動で保存されるようになっています。

Pythonスクリプト内に追記することで、他の項目も任意で追加することができます。

これで、自動でエクセルファイルとして造形条件が保存されるようになります。
繰り返し造形する際、造形条件の管理がとても楽になります。ぜひ使ってみてください!


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