収縮が大きい材料や、造形物のサイズが大きいモデルを造形する際に問題となるモデルの反り。
以前にもブログにて反りを防ぐ様々な方法をご紹介させていただきました。
今回は、上記のブログではご紹介しなかった反りを防ぐ方法の1つである保護シールドという手段についてご説明したいと思います。
保護シールドとは?
保護シールドは、上記のようにモデルの周囲に作られる「保護壁」です。
3Dプリントでは、特にABSやPETGのような熱収縮性の高い材料を使用する場合、反り が問題になります。
この壁はモデルと同時にプリントされ、以下のような役割を果たします:
- 温度を安定化:モデルの周囲温度を均一に保つ。
- 外部からの空気を遮断:空調などの外気や風による温度変化からモデルを保護する。
このような効果によってモデルの反りなどを防ぐ助けになります。
特に、造形エリアがカバーで覆われていないタイプの3Dプリンタでは効果的に働くことがあります。
保護シールドのメリット
- 反りのリスクを低減
温度変化によるモデルの変形を防ぎます。 - 高いモデルにも対応
複雑な形状や高さのあるモデルにおいて、安定したプリントを実現します。 - 敏感な素材に最適
温度変化に敏感なABSやPETGなどの素材に対して特に効果的です。
ただし、造形する形状が増える分、造形時間と材料使用量は増えるため、
使用する場面は選ぶことが大切です。
設定
この設定は多くのスライスソフトウェアに搭載されており、
保護シールドやドラフトシールドなどと呼ばれています。
これはモデルの周囲に追加の壁を作成することで、プリント中の環境を安定させます。
今回はPrusaSlicerを例としてその設定方法をご説明します。
設定はプリント設定→スカートとブリムの中に用意されています。
限定の設定では、保護シールドを造形するレイヤの高さを指定できるようになります。
保護シールドの項目の上のスカートの高さの項目がこの設定になります。
こうすることで自分の指定した高さまで保護シールドが造形できるようになります。
結論
保護シールドは、3Dプリントの反りを防ぎ、品質を向上させるための便利な機能です。
特にABSやPETGなどの反りが発生しやすい素材や複雑なモデルをプリントする際に有効です。
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