以前のブログで、糸引きを防ぐためのリトラクションの設定についてご紹介しました。
今回は、リトラクションの設定ではなく、プリントヘッドの移動経路を変えることで糸引きを出にくくする
「外周をまたがないようにする」という機能についてご紹介します。
「外周をまたがないようにする」ってどんな機能?
3Dプリントモデルの表面に発生してしまう糸引き。とくにPETGやTPUなどの材料は糸引きがでやすい材料です。
「外周をまたがないようにする」はこれらの材料を使用する際に非常に有効な機能です。
この機能を有効にすることで、プリントヘッドはAのポイントからBのポイントに移動する際に外周部分を避けてインフィルの部分を移動するようになります。
PrusaSlicerでは「プリント設定」→「レイヤーと外周」の中の「高品質」に用意されています。
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実際の動きをGコードで確認
実際にGコード上でプリントヘッドの動きを見てみましょう。
今回は下記のようなモデルを作成し、STLをPrusaSlicerに読み込みます。
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外周をまたがないようにするがオフの場合
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このように1つの穴の輪郭を作成した後、プリントヘッドが次の造形ポイントまで移動する際に最短の距離で移動しようとするため、手前の穴を横切ったことがわかると思います。
この移動がモデル表面の糸引きの原因となります。
外周をまたがないようにするをONにした場合
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このように、プリントヘッドは穴の部分を通らずに、モデルの内部(インフィル部分)に沿うように移動するため、糸引きがモデルの表面に現れなくなります。
まとめ
この機能はモデルの糸引きに悩んでいる場合に有効な手段となることがあります。
しかし、すべてのモデルに必要になるわけではありません。
使用する材料や形状によって使い分けるとよいと思います。
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