前回のブログでは、3Dプリンタで組立てなしで可動部品を作成するために必要なクリアランスを求める方法についてご紹介しました。

今回は、そのあとのモデリングから実際に造形するまでの工程についてご紹介します。

モデリングについて

前回の結果を基にして簡単な仕組みの可動部品を作成してみます。

駆動部の仕組みは半球状のくぼみにフィットするように凸形状の半球がはまるようなものにしてみます。非常に単純な構造ですが、しっかりとクリアランスを確保しなければ、組み立て無しで可動部品を作ることはできません。

まずは外側の枠から設計していきます。

ここで気を付けなければいけないのはオーバーハングです。
オーバーハング部分の角度がきつくなってしまうと、吐出されたフィラメントが重力によって垂れ下がってしまい、狙ったクリアランスにならず可動部品にならないことがあります。

そのため、あまりオーバーハング角度がきつくならないように穴の深さを考慮して設計しました。

上記のようなことに注意しながら凹んでいる側の設計が完了しました。

次に、凸側の形状を作成します。

先ほど穴を空けたときのサイズから0.2mmオフセットしたサイズで設計します。

事前に0.2mmの隙間を設けています。

これで上記のように隙間が空いた状態になりました。

最後に可動部を設計して完成です。

スライスソフトで確認

次に、作成したモデルをスライサーに送信し、スライスされた状態でモデルを確認します。

上記のように凹凸を付けたパーツの間にはわずかに隙間が空いていることがわかります。

プリント~確認

作成したデータを3Dプリンタに取り込み造形を行いました。

完成したモデルを確認してみると、下記のように組立てなどを行うことなく、
パーツを動かすことができました。

まとめ

今回は、非常に簡単な設計で、組立てなしで可動するパーツを作成してみましたが、
より難しい設計でも試して、ご紹介したいと思います。


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