熱融解積層(FDM)方式3Dプリンタで使用できる材料は、日々様々なものが開発され、市場に出回るようになっています。
今回はそんな中でもカーボンファイバが配合された材料の特徴や、
実際に使用する場合の注意点などについて、ご紹介したいと思います。

カーボンファイバ入りの材料とは?

3Dプリンタで使用できるカーボンファイバ入りの材料とは、PA(ナイロン)、PLAなどのプラスチック樹脂に微細な炭素繊維(カーボンファイバ)が均一に配合された素材です。
樹脂とカーボンファイバの組み合わせにより、通常のプラスチックフィラメントでは得られない特性を実現します。

カーボンファイバ配合フィラメントのメリットとは?

①強度に優れる

メリットの1つ目が、優れた機械的特性です。
通常の樹脂フィラメントと比べると、より高い強度と剛性を実現できます。
軽量で丈夫なモデルを造形することができます。

②表面品質がよくなる

以外の多くの方が知らないのがこの表面品質に関する特徴です。
カーボンファイバー(炭素繊維)が配合された材料で作られたモデルは、他のフィラメント材料と比べて積層跡が目立ちにくくなり、全体的に綺麗な表面に仕上がります。

造形条件
材料 : 左 PLA-CF
ノズル温度 : 220℃
ノズル径 : 0.4mm
積層ピッチ : 0.2mm
造形速度 : 50mm/s

カーボンファイバ入り材料の注意点

そんな優れたメリットをもつカーボンファイバ配合のフィラメントですが、
実は造形時に気を付けなければいけない点があります。
それは、「ノズルの摩耗」です。

市場に出回る3Dプリンタに採用されているノズルの多くは、「真鍮製」ノズルです。
汎用的な材料に使用できるノズルですが、カーボンファイバが含まれている材料を使用すると、吐出時にノズルそのものが削れてしまい、すぐに使用できなくなってしまいます。
安定して造形するためには、耐摩耗性に優れた専用ノズルの使用が必要になります。

左:真鍮ノズル 右: 耐摩耗ノズル(マルテンサイト系ステンレス鋼製)

まとめ

カーボンファイバ配合フィラメントと聞くと、活用が難しそうにも思えますが、
実は、しっかりと造形に必要なポイントさえ押さえておけば、簡単に使用することができます。
強度が必要となる用途での活用はもちろんですが、モデルの表面品質をよくしたい場合にも、非常に有効な材料ですので、ぜひ一度使ってみてください。


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