3Dプリンタで造形を行う際に、気を付けるべき項目に材料の使用量があります。
材料が増えるということは、そのままコストに直結するからです。

そのため、「できるだけ材料の使用量を抑えて造形したい」というのが、
すべての3Dプリントユーザー共通の想いだと思います。
今回は、そんな材料を削減する際に、気を付けてほしいことについてご紹介したいと思います。

モデルの肉抜きをする際に気を付けてほしいこと

3Dプリンタで造形を行う上でサポートは無駄な材料となります。
複雑な形状やオーバーハング形状などを造形する上で必要不可欠なものですが、
なるべく減らしたいと思います。

以前のブログでは、PrusaSlicerを使った様々なサポートの設定方法について
ご紹介させていただきました。
サポートの設定を見直したい方はこちらもよろしければ合わせてご覧ください。

しかし、サポートを使用しないモデルについてはどうでしょうか?

サポートを使用しない造形の場合、
材料の使用量を抑えるためにはモデルの形状を変更する必要があります。
そんな中でも、最も一般的な軽量化の方法の1つが肉抜きです。
今回はモデルの肉抜きをする際に気を付けてほしい点についてご紹介します。

肉抜きの有効性

今回は検証のために肉抜きしたモデルとそうでないモデルをそれぞれ用意しました。

サイズ : 100×100×75mm 厚み : 2mm

条件
ノズル径 : 0.4mm
積層ピッチ : 0.2mm
造形速度 : 50mm/s
材料 : PLA
サポート : なし

それぞれを上記の条件でスライスしてみると・・・

肉抜きしていないモデル

肉抜きのないモデルでは、トータルの材料使用量が90.49gと予測されました。

肉抜きしたモデル

上記のように67.16gと約23gの材料が節約できるということがわかります。

このように3Dプリントでも、肉抜きは材料の削減に非常に有効な手段だと言えます。

注意してほしいこと

肉抜きを行う際に気を付けてほしい点は造形時間です。

単純に考えてみると、フィラメントを使用する量が少ないほど、
かかる時間も短くなるように思います。

しかし、今回のモデルの場合、

造形時間 : 10h26m
造形時間 : 13h57m

上記のように、肉抜きしたモデルの方が3時間以上多くの時間がかかることがわかります。
この原因は造形のされ方にあります。

穴なしモデルの場合、下記のようにノズルの移動は連続的に行われます。

しかし、穴付きモデルはノズルが小さな部分を次々に造形します。
1つの部分の造形を終わったら、次の部分に向けてZ軸を上下に動かしてから造形を始めます。
このように細かくプリントヘッドの移動を繰り返す必要があるため、造形時間が増加してしまいます。

まとめ

上記のような単純な肉抜きは材料の削減に大きく貢献する一方で、
実は造形時間の増加につながってしまいます。
コストと造形時間の両立を目指したいときは、肉抜きする形状までしっかり考えてモデリングする必要があります。


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