私はこれまで、PrusaSlicerに関する設定を数多くご紹介してきましたが、
インフィルパターンについてはまだ調査したことがありませんでした。
普段私は、インフィルの設定としてグリッドという設定を使用していますが、
PrusaSlicerでは、その他にも18種類ものインフィルのパターンが用意されています。
実際、それぞれにどんな違いがあるか気になったため、
今回は、実際にインフィルパターンを変えて造形し、モデルに現れる違いについてご紹介したいと思います。
インフィルの役割とは
インフィルは3Dプリントした物の内部構造を形成し、強度と造形の安定性に大きく関わります。
充填率を高くすると内部の接地面が増え、強度が増加しますが、造形時間は長くなります。
逆にインフィル減らすと、造形時間は短くなりますが、形状が崩れたりプリント不良が起こりやすくなります。適切なインフィルの設定は、強度や軽さ、造形品質のバランスを保つために重要です。
インフィルの違いを調査
すべてのインフィルを検証したいところですが、数が多いため、
今回は、普段使用している形状である「グリッド」と、特徴的な形状のものを3つピックアップして造形してみたいと思います。
造形条件は下記の通りです。
インフィルの形状以外はすべて同様の条件で行います。
造形条件
●材料 : PLA
●ノズル径 : 0.4mm
●積層ピッチ : 0.2mm
●造形スピード : 50mm/s インフィル60mms
●インフィル充填率 : 10%
モデルは30×30×20mmのブロック形状を使用します。
造形するインフィルの形状について
①グリッド

普段使用している最も汎用的なインフィルの形状です。
同じレイヤー内で縦横の線が交差して格子を形成するパターンです。
造形時間 : 約55分
使用材料量 : 8.49g
②ジャイロイド

このパターンは、波打つように立体的に連続した曲面構造のインフィルパターンです。
全方向に均等な強度を持ちます。
そのため、最も強度が高いインフィルパターンとして紹介されています。
造形時間 : 約54分
使用材料量 : 8.27g
③ハニカム

蜂の巣のように六角形が規則的に並んだ構造です。
非常にシンプルな形状ですが、強度に優れていることで知られています。
そのため、飛行機や自動車などさまざまなものの構造として使用されています。
グリッドと比べると、造形時間と材料使用量が少し増えています。
造形時間 : 約58分
使用材料量 : 8.79g
④ライトニングインフィル

最後はライトニングインフィルです。こちらはこれまでのインフィルと違い、
モデルの内部に充填されるわけではなく、上面を支えるためだけに生成されます。
そのため、造形時間が短くなりますが、強度は失われます。
造形時間 : 50m
使用材料量 : 7.15g
早速それぞれを造形して違いについて確かめてみたいと思います。
造形した結果
①グリッド

しっかりと上面は埋められており、きれいに造形できています。

下側から光を当ててみると内部はしっかりと格子状になっていることがわかります。
②ジャイロイド

こちらも無事に完成しました。
見た目だけでは全く違いはわかりません。
光を当ててみると

明らかに内部がグリッドとは構造ができていることがわかります。
③ハニカム

こちらも表面はきれいに造形できています。

内部もきれいにハニカム構造で造形できていることがわかります。
④ライトニング

モデル表面はきれいに造形できており、一見他のパターンと違いは特にないように見えましたが、、、

ライトを当ててみてみると、支えのない部分の積層が、乱れていることがわかります。
ライトニングインフィルを使用するときは、もう少し充填率を上げて支えを増やす
必要がありそうです。
まとめ
今回は合計4種類のインフィルパターンを使ってそれぞれ造形してみました。
次回はブログでは、実際インフィルのパターンの違いで強度にどれくらい違いがあるのか、
テストしてみたいと思います。
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