今回は新登場の治具作成ソフトウェア「EZ jig for Rhino」を使って治具データを作成し、
3Dプリンタで造形してみることにしました。
実際にお客様から治具を使って組み立てを行いたいという製品をお預かりして
現場で使える治具を作成したいと思います。
< 今回ご協力いただいた企業様 >

株式会社サージアップ 様
京都府京都市に本社を構えられ、IH加熱装置の開発から設計・製作までされています。
「うねりを起こす。」という意味の込められた社名の通り、
先進的な技術と多彩なアイディアで、他ではできない新しい製品を生み出されている会社様です。
社長様をはじめ、社員の皆様にも快くご協力頂きました。この場を借りてお礼を申し上げます。
URL : http://www.surgeup.co.jp/index.html




組み立てに治具が必要な製品がこちら

円盤状のコイル上に8つのブロックを配置して溶着を行うのに
位置決めが難しいとのこと。
そこでブロックをはめて固定する位置決め治具を作成していきます。
「EZ jig for Rhino」はCADスキルがなくても簡単にデータ作成を行えるようになる
Rhinocerousのアドインソフトです。
図面をもとに立体を作成することもできるので便利です。
まずは図面データのインポート!

ブロックと導線の配置図面をインポートしてここから立体化を行います。

四角部分にブロックをはめれるよう、くり抜き箇所を指定したら…
形状の設定
あとは数値設定するだけで自動で立体モデルが出来上がります。

下記の通り設定しました。
〇形状:円
〇サイズ(X):120mm
〇高さ(Y):3mm
〇フィレット:3mm
〇クリアランス:0.5mm

最後にセンターに円柱を立ててデータ完成です!
さっそく、プリント
造形条件は下記の通りです。
〇ノズル径 : 0.4mm
〇積層ピッチ : 0.2mm
〇造形速度 : 一層目60mm/s | 外壁200mm/s |内壁300mm/s | インフィル250mm/s
〇材料 : Hyper PLA
〇ノズル温度 : 220℃
〇モデルファン : ON
〇補助冷却ファン : ON
〇インフィル : 15%
完成したモデル


できた治具にブロックを配置して上からコイルをのせ圧着します。
思い通りに組み立て作業ができそうです!
後日、サージアップ様にもプリント治具を見てもらいました!!
プリント治具について
これまで手作業で1つ1つブロックをテープで仮留めして溶着を行っており、
結構な数なので大変でした。
治具を使えることで、簡単にきれいに作業を行うことができそうです。
納品先の品質管理等が厳しくなるケースもあるので、助かります。
との感想を頂きました。
プリンタ・ソフトウェアについて
非常にきれいにプリントできていますね。との感想を頂きました。
今回初めてテストした治具ソフトEZ jig for Rhinoについても
反転や図面からの立体化機能についてご評価いただき、
3Dスキャナデータからの治具作成や、組み立て時の治具などに使えそうとのお言葉を頂きました。
まとめ
今回は、図面から立体化して作成した治具データをそのまま3Dプリントしてみました。
治具ソフトを利用することで簡単にデータ作成とプリントを行えることがわかりました。
3Dプリントの新たな使い途ちとして幅が広がりそうです。
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