前回のブログでは、2つの樹脂モデルを接着剤などを使用せずに接合する方法として、爪構造を使ったスナップフィットについてご紹介しました。

今回は、樹脂の特性を利用した、疑似的なラチェット機構作成方法についてご紹介したいと思います。

実験内容について

前回の爪形状を使用したスナップフィット形状は、樹脂の柔軟性によって実現することができる形状です。爪パーツがたわむことで狭い穴にも差し込むことができます。
しかし、引き抜く際には爪が引っ掛かることで外せなくなる仕組みでした。

今回は下記のような角度を付けた歯を内部に複数枚取り付けた筒状のパーツを造形します。
用意する棒は歯の中心の円と同じサイズになるようにしています。

このパーツは一つの方向には樹脂がたわむため楽に回転させることができますが、反対方向に回そうとすると、刃が倒れにくいため回すことができない仕組みになっています。


このような形状も樹脂の特性を活かした形状です。

モデルを作成した後、スライサーにモデルを送信してコードを生成します。
そして、作成された製品をテストしました。

左周りの場合

右回りの場合

まとめ

今回は、疑似的なラチェット機構を再現することができました。
歯の厚みは0.8mmとかなり薄い形状でしたが折れることなく回転させることができました。
実際、かなり力を入れれば逆方向でも回転させることはできますが、
差し込む棒側の形状や積層方向を工夫すればより強くすることができると思います!


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