一般的に「バネ」と呼ばれているものには、大きく分けると「コイルバネ」と「板バネ」があります。
コイルばねは、線材をコイル状に巻いたばねで、一般的にバネと言われるとこれを想像される方が多いと思います。
自転車やボールペン、ベッドやソファーなど様々な場所で使用されています。



板ばねは、板の曲げの変形を利用してばねとして利用されているものです。

あまり聞きなじみのない名前ですが、実はコイルねじと同じように様々な用途で使用されており、こちらも世の中にはたくさんあります。
例えば、トラックなどのサスペンション、電池ケースの電極、ピンセットなども実は板ばねの一種です。

今回はそんな板バネをFDM方式の3Dプリンタを使用して同じような働きをするものとして造形することができるのか検証してみたいと思います。

板バネを作ってみる!

早速、板バネを設計→3Dプリントして、実際に活用できるものなのか検証してみます。
私自身、このようなバネなどの設計に携わったこがなく、詳しくないため、
下記の動画を参考に設計を行いました。

参考動画 : https://www.instructables.com/100-3D-Printed-Linear-Snap-Action-Mechanism

そうして完成したのが、下記のパーツです。

今回の設計で重要なのは、未変形の状態では、可動パーツを板バネの間の隙間よりも大きくしておくことが重要です。
そのため、板バネが未変形時、板バネの間の隙間がφ15mmです。
対して、可動部品はφ20mmで設計しました。
可動部品がこの間を通るためにはこの5mm分、板バネがたわむ必要があるということです。

板バネの厚みは、1mmで設計しました。

造形条件 :
●ノズル径 : 0.4mm
●積層ピッチ : 0.2mm
●材料 : PLA
●インフィル : 20%

完成直後の様子

早速組み立てて、板バネとしてちゃんと機能するのか試してみました。

結果、ちゃんと板バネとして機能することがわかりました!
稼働部品を通してみると、板バネがたわみ、隙間よりも大きい稼働部品を通すことができました。

まとめ

樹脂の特性を利用することで、板バネのような部品も3Dプリンタで造形することができました。
一般的な板バネと全く同じ用途で活用できるわけではありませんが、簡単な機構の確認などはできそうですね。


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