前回の投稿では、リバースエンジニアリングを始めるために3Dスキャンを行い、余分なデータを除去するところまでご紹介しました。

前回の記事を読んでいない方はこちらから確認してください。

今回は、スキャンしたデータをどのように編集していくのかその過程についてご紹介していきたいと思います。

スキャンデータをマージ(結合)する

peel.OSには異なるスキャンデータをマージさせるための方法が全部で3つ用意されています。
それぞれの方法に、得意不得意があるため、形状などのによって使い分ける必要があります。

まず1つ目が手動でマージする方法です。
2つのスキャンデータから同じ形状のポイントを3点任意で選択してそのポイントでマージできます。

複雑な形状や自動でマージさせるとずれが発生してしまうようなときに有効です。
また、ノイズが多いデータや部分的に欠損しているデータでも人が選択することで正確にマージできるようになります。

手動の方法は下記のようなイメージです。

2つ目の方法は、サーフェス(形状)を使用して自動でマージする方法です。

サーフェスの特徴を自動で認識し、全体の形状に基づいて位置合わせを行います。
複数回に分けてスキャンを行ったときなどに短時間でマージすることができるため便利です。

サーフェスを使ったベストフィットのマージは下

そして最後の方法がターゲットマーカーを使用してマージする方法です。
今回は私はこの方法を使ってマージを行いました。
前回、ターゲットマーカーを張り付けてスキャンを行ったのは、マージするときの基準点として活用するためでした。

ターゲットマーカ―を使用することで複数のスキャンデータ間で共通する基準として使用できるため、
精度が高い位置合わせが可能になります。
また、形状に特徴点が少ないもの(平らなものや、滑らかな曲面)などでもターゲットマーカ―を基準とすることができるので確実に位置合わせを行うことができます。

これでスキャンデータの位置合わせが完了しました。

Peel.CADでモデリング

ここからは、peel.CADを使用してCADデータに変換する前にデータを修正します。

平面の取得

この後の工程で円筒形状を作成しますが、その際の基準となる平面を作成します。
モデルの中で平面がある箇所を選択することで面を作成できます。

円筒形状

前の工程で作成した参照平面を基準として、円筒を作成します。

表面の取得

後の工程で使用するため、ブラシモードを使用して、選択した箇所にサーフェイスを作成しました。

最後に、STEPファイルでCADにエクスポートします。
Peel.CADは、編集したデータをSTEPまたはIGES形式でエクスポートできます。

予告

次回はいよいよCADでモデリングをしていく過程についてご紹介したいと思います。


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