3Dスキャンにおいてスキャンが難しいことで知られているものがあります。
それはワークが透明・黒のものです。これらはスキャナから発される光を透過・吸収してしまうため、光の反射光によってスキャンできません。
ですが、色がついていても、スキャンが難しいワークもあります。
それが光沢があるワークです。光沢があるものは反射率が高く、スキャナから発された光が散乱、反射してしまうため、正確なデータを取ることが難しいことがあります。
今回の記事では、光沢ワークをそのままスキャンするとデータはどのようになるのかご紹介します。
また、専用スプレーを使用した場合のスキャンの結果についても合わせてご説明します。
実際にスキャンをしてみる
まずは下記のようなバイクの青色の金属パーツ(バイクの燃料タンク)をスキャンしてみます。
結果
予想外の結果になりました。
スキャンスプレーを使用していないにもかかわらず、光沢のあるモデルの形状を取得できました。
モデルの表面にもノイズの影響がないように見えます。
peel 3は光沢のある形状にも強いため、ある程度の光沢ワークであれば、表面処理なしでもスキャンができるということがわかりました。
より光沢が強いワーク
次は、より光沢が強い鉄性のワークをスキャンしてみることにしました。
スキャン結果
今回の金属ワークくらい光沢があるモデルの場合、スキャナーからの光が正しく反射して戻さなくなります。そのため、上記の画像のようにワークを置いた場所に光(緑のライン)は当たっていますが、反射によってセンサーに届かないため、その部分が影(暗い部分)として記録されています。
また、スキャンはできても下記のようにワークの表面にノイズがでる場合もあります。
モデル表面の光沢が光を反射し、スキャナーが誤った位置や形状を記録してしまうためです。
これにより、モデルの表面が荒れたり、形状が歪んで見えることがあります。
AESUBスプレー塗布後
その後、部品の表面に3Dスキャン専用スプレーAESUBを塗布しました。
そして、再度スキャンを行いました。
結果
スプレーを塗布したことで、ワークの表面がマット化され光沢が抑えられるようになります。
光沢が無くなることでスキャナの光が正しくセンサーまで戻るため、モデル全体をスキャンすることができます。
まとめ
今回の検証では、このような結果になりましたが、光沢の加減や使用するスキャナによっても取得できるデータは様々です。導入している3Dスキャナの特徴を見極めた上で、適切に3Dスキャン用スプレーなどを使って作業するのが良いと思います。
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