3Dスキャンニングは、産業、建築、デザインなど多くの分野で活用されています。
しかし、大きなオブジェクトをスキャンする際、ターゲットマーカの貼り付けはとても手間がかかる作業です。
そこで、スキャンするために必要なターゲットマーカの数について検証してみます。

スキャンに必要なターゲットマーカはどれくらい?

1. マーカなしでスキャンした場合の問題

以前のブログでは、Peel 3はターゲットマーカなしでもスキャンすることができるとご紹介しました。

そのため、今回も同じようにスキャンすることができると思っていましたが、
結果は予想に反してスキャンすることができませんでした。

この原因はスキャン対象の表面が平面的であったためです。
ターゲットマーカなしでスキャンする際、特徴形状によって位置合わせされるため、
スキャンするワークの形状によって結果が大きく左右されるということがわかります。
今回スキャンしている台車のような平面の多いモデルはスキャンすることができませんでした。

2. 1つのマーカの使用

次に、1つのマーカを使ってスキャンしてみましたが、結果は0個の時と変わらずスキャンできませんでした。

なぜなら、1つのマーカだけでは様々な角度からみれても点に過ぎず、
位置合わせの目印として機能しないからです。

3. 2つのマーカの使用

次に、マーカを1つ追加し、合計2つにしてスキャンを試みました。
しかし、これでもスキャンすることができませんでした。
2つのマーカでは位置合わせするには足りないということがわかりました。

4. 3つのマーカの場合

次に、3つのマーカをでスキャンしてみると、3つのマーカがスキャン範囲に入っていると、位置情報を見失わず、スキャンができるようになりました。

この結果からターゲットマーカを使用する場合は、データの位置合わせを行うために、最低でも3つ以上のマーカがスキャンエリアに入っている必要があるということがわかりました。

おまけ

さらに追加で3つマーカを貼り付けると台車の平面部分全体をスキャンすることができました。

まとめ

今回の実験からいくつかの重要な結論が得られました:

  1. 最低でも3つ以上のマーカを使用する
    →スキャンを行うためには、スキャン範囲内に最低でも3つ以上のマーカが映るようにする。
  2. マーカの配置にはランダム性を持たせる
    →マーカは一直線に貼り付けるのではなく、ランダムに配置する方が位置合わせしやすくなります。
  3. オブジェクトの幾何学的特徴に注意する
    →今回の台車のように平坦な面をもつワークをスキャンする場合、マーカなしではスキャンとができません。したがって、スキャン対象が均質な表面を持つ場合、必ずマーカを使用することが推奨されます。

このように、質の高いスキャンを行うためには、マーカの数と配置が重要です。
これにより、エラーを防ぎ、正確な3Dモデルを作成することができます。


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