Peel3で使用できる新たな付属ソフトとして登場したPeel.CAD Pro。
より様々な設定や機能が使えるようになった上級者向けのソフトウェアです。

以前のブログでは、Peel3とPeel.OS Proを使って、
モデリングをおこなうワークをスキャンする工程までをご紹介しました。

今回のブログでは、Peel.CAD Proを使ったリバースエンジニアリングの手順に
ついてご紹介したいと思います。

前回の続きからになりますので、ぜひ以前のブログを見てからご覧ください!

Peel.CAD Proから追加された機能について

Peel.CAD Proでは、従来の機能に加えて大きく分けると2つの機能が追加されました。

1つ目が2Dスケッチの機能です。

指定した面に対してスケッチを書くことができます。

それぞれの機能については、使用するときに詳細を書こうと思います。

2つ目が3Dモデリング機能です。

スケッチで作成した面に対して押し出しや回転など、
CADで使用される3Dモデリングの機能が使用できるようになっています。

今回はこれらの新機能を使ってモデリングを行いたいと思います。

Peel.CAD Proを使ったモデリング

以前のブログでは、スキャンを行い、その後余分なデータを削除するところまで行っていました。

この後の工程からご紹介していきます。

まずは大まかにモデリングの流れをご紹介します。

このように、形状が似ている場所で分けて、①から順番にモデリングしていこうと思います。

①の形状のモデリング

①の形状は円筒形状で非常にシンプルです。
そのため各円筒形状の断面の円をスケッチし、押し出せば簡単に作成することができます。

まずスケッチを押して、円筒形状の面を一つ選びます。
この面に対してスケッチを行います。
この面では輪郭線をキレイに取ることができないので(画面の黄色いライン)、
面の位置をオフセットして、
輪郭線がキレイに取得できる位置を探します。

今回は面を10mmオフセットして、断面を作成しました(画面の黄色いライン)。
「確認する」を押すと、面に接する場所の輪郭線が自動で作成されます。

断面を取得する場合、スキャンデータから正確に作成されため、よく見てみるときれいな円ではなく、
表面がぼこぼこしているように見えます。

そのためこの円を使って、上から円を書きます。

画面上の円のマークをクリックすると円のスケッチが作成できるようになります。
中心点からの円を書くモードと、3点を通る円を書くモードの2種類があります。
今回は3点から円を書くモードを使用します。

このように輪郭線を3点選択することで断面に沿ったきれいな円を書くことができます。

このラインを作成できたら「スケッチを受け入れる」を押します。

すると、スケッチの画面が切り替わり、先ほど作成したスケッチの線が反映されています。
作成した線は最初に選んだ面上に作成されます。

最後に、この線を使って押し出しを行います。

画面上のモデリングから押し出しのコマンドを選択します。

このようなポップアップが表示されるので、先ほど作成したスケッチを選択します。

すると上記のように押し出す長さが数値で入力できます。
この時、少しはみ出るように長めに押し出しすることがうまくモデリングを行うコツです。そうすることで長さを気にすることなくモデリングできます。

最後にOKを押すとこのように円筒部分のモデリングを行うことができます。
あとは、同様の手順を繰り返して①の円筒部分を5つモデリングします。

②複雑な形状のモデリング

次に、このワークの中でもっとも複雑な形状の部分を作成します。
しかし、やり方自体は①の工程を大きく変わりません。

まずはモデリングのスケッチから面を選択し、先ほどと同様にオフセットを行い、
キレイな断面のラインが取得できる場所を選びます。

しかし、よく見てみると、テーブルの一部がデータとくっついてしまっていたため、
テーブルの一部が残っています。

するとこのように断面の形状を取得できます。
先程の円の場合は円で簡単にスケッチできましたが、この形状の場合はできません。
方法はいくつかありますが、今回はスプラインの機能を使用しました。

スプラインの機能は、断面のラインから点を取得していき、その点同士をつなぎます。
このとき、断面のラインに沿うように自動で調整されます。

このようにして線をつないでいき、

このように面を作成することができます。

最後は①と同じように押し出します。
このとき、この形状の厚みは正確に押し出す必要があります。
今回はノギスを使ってモデルの厚みを測って押し出しました。

同様の手順でもう一つの形状も作成できます。

③円錐形状の作成

この形状も様々なモデリング方法がありますが、
今回は非常に便利な機能を使ってみることにしました。

それがクイックプリミティブ機能です。
この機能を使ってモデリングしたい場所をクリックすると、
自動的にモデルの中から形状が抽出されます。

円筒や円錐などの簡単な形状は抽出できますが、すべての形状に使用できるわけではないことに注意が必要です。

モデリングしたい円錐形状(赤い部分)が自動で選ばれているので、

モデリングをする形状をクリックし、OKを押します。
たったこれだけで円錐部分をモデリングすることができました。

完成したモデル

これですべての形状のモデリングが完了し、リバースモデリングができました。

まとめ

今回のブログでは新しく追加された専用ソフトウェアPeel.OS ProとPeel.CAD Proを使ってスキャンしたデータのリバースモデリングを行う工程についてご紹介させていただきました。

このように、簡単な形状であれば、Peel.CAD Proを使うことで、別のCADソフトを使用することなくモデリングすることができます。


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