私はこれまでのブログで、3Dスキャナを使ったリバースエンジニアリングの工程について
ご紹介してきました。

そこで、今回は3Dスキャナを活用した検査を実際にやってみます。
私自身も検査工程については初めてのため、どのような手順が必要なのか
確認しながら行っていきたいと思います。

3Dスキャンデータを活用した検査について

今回は、カラーマッピング機能を使用してみます。
カラーマッピングでは、参照するCADデータに対してスキャンしたワークがどのくらいの、
精度になっているのか、色を使って簡単に比較検査することができます。

今回スキャンするのは下記のような形状です。

自由曲面や斜面があり、ノギスなどのアナログの測定ツールでは測りにくい形状があります。

使用した3Dスキャナについて

今回は、高精度な3DスキャンができるCreaform社製のHandySCANシリーズで
取得したデータを使用しました。

製品付属のCreaform.OSを使用してスキャンを行い、メッシュ化できたら、画面右上のところから
検査解析用ソフトウェア「Inspection」を開きます。

参照用のCADデータをインポートする

検査を開始するには参照用のデータが必要となるため、CADデータをインポートします。
今回はIGES形式で読み込みました。

CADデータを読み込んだ直後の状態は2つのデータが重なり合っておらず、
このままでは検査することができません。

そのため、2つのデータを重ねる必要があります。

今回は「ベストフィット」の機能を使用しました。
ベストフィットでは、二つのデータの中で共通する特徴形状から自動で位置合わせを行います。

プレビューを押すと、二つのデータの位置が合わさりました。

これで位置合わせは完了です。
今回は、もっとも簡単なベストフィットの方法を使用してデータの位置合わせを行いましたが、
この他にも
・エンティティ選択
・データム参照フレーム
・基準点(RPS)選択
の3種類の方法が用意されているので、検査時の条件に合った方法で位置合わせすることができます。

カラーマッピングで検査

位置合わせができましたので、早速3DカラーマッピングでCADデータとの比較検査を
行ってみたいと思います。

カラーマッピングの機能は画面の上側に用意されています。

これをクリックすると

このように、CADデータとスキャンデータが比較され、カラーマッピングとして表示されます。

今の設定だと±1mm(緑色)がしきい値になっています。

そのため、今回スキャンしたデータは形状全体が±1mm以内の精度に収まっているということが
一目でわかります。

このしきい値の設定は、任意で自由に変更することができます。

しきい値を±0.05mmに設定して変更してみると

このように、±0.05mm以内の精度でスキャンできている場所は緑色になり、
それ以外の場所は水色や黄色になりました。
精度が良くない場所ほど、青色や赤色が濃く表示されます。

このようにカラーマッピングを使って偏差を確認することで、
CADデータとスキャンしたワークを簡単に比較検査することができます。

今回ご紹介したカラーマッピングによる偏差確認機能以外にも、
Inspectionは様々な機能が搭載されています。
それらの機能についても今後ご紹介していきます!


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