私はこれまで3度にわたってCreality Raptor Proとリバースモデリング用ソフトウェア「QuickSurface」を使用したリバースモデリングをする工程についてご紹介してきました。

今回は、いよいよ最後のモデリングを行い、データの完成までの工程をご紹介したいと思います。

前回の振り返り

前回はモデルの中の大まかな形状の作成まで行いました。

今回は①六角形の部分と、②エッジのフィレットを行っていきたいと思います。

①六角形の部分をモデリングする

まずはこれまでと同じように六角形の部分の断面を取得します。

「幾何形状構築」→「平面」を選択します。

別の平面にチェックを入れて、向きをOXY方向にします。
調整出来たらオフセットの項目に面が六角形の部分を通る値を入力してください。
今回は-5mmで設定しました。

次に、平面を選択した状態で2Dスケッチを選択します。
面と接する部分の断面が取得されます。「作成」を押してください。

「プリミティブの抽出」から線にフィットを選択して六角形の角以外の部分を選択します。

すべて選択出来たら、「戻る」を押して、

離れている線通しを延長し、線と線を繋いでください。

すべてつなぐことができると内側が青色に塗りつぶされます。

次に中心の円を描きます。
この円は六角形をこのまま作成してしまうと、以前の工程で開けた円が埋まってしまうため、
中心の円の輪郭線を書いておく必要があります。

中心から円を書いて、円筒部分の端を狙います。

このようにすでに必要な穴の大きさは、円筒部分を作成した際に開いている状態のため、
六角部分がはみ出さないように削除します。

できたら押し出しを押します。
すると面が下記のように押し出されます。

このとき、ボトム平面/距離2の方は前回モデリングしたリングの部分まで貫通するように矢印を使用して面の押し出し距離を移動させます。

トップ平面/距離1の方は後で削除しますので、ひとまず大きめに押し出しすれば大丈夫です。
OKを押すと下記のような状態になります。

次に、先ほど押し出した六角形部分の厚みを取得していなかったからです。

そのため、六角部分の上面のラインを取得していきます。
2DスケッチからOXZ平面を選択→作成から断面を取得します。

断面が取得できたら六角部分の上面のラインと接する直線を作成します。

作成できたら、画面上部タブから「CAD」→押し出しを選択します。

すると下記のように線を基準としてサーフェス面が作成できます。
あくまでカットラインとして使用しますのでざっくり、六角形より大きくなるようにトップ平面とボトム平面を広げて下さい。

できたらOKを押します。

すると、このようにサーフェス面が作成されます。

次に六角形の余分な部分を削除します。
このとき、余分な部分が表示されていると作業しにくいため、
履歴のチェックマークを外して、六角部分と面だけを残します。

六角の部分と面をまとめて選択します。

二つとも選択した状態で「CAD」→「トリム」を選択します。

すると、このように

カットされます。
このカットのためのサーフェス面も不要なため、選択し、

このような状態にします。

OKを押すと上記のようになります。
先ほど非表示にしたチェックマークを戻すと、

このように六角形の部分が必要な厚みにカットできました。

この時、私はミスに気づきました。

前回のブログで輪郭線を取得し、回転させることで円筒部分を作成しましたが、
このとき、円筒の一部が、六角部分より大きくなっていました。

そのため、真ん中の一部が六角形部分の外側に飛び出しています。
こちらを修正していきます。

画面左側の履歴の部分からスケッチ1を編集します。
右クリックし、編集を押すことで再び編集可能です。

飛び出している部分

問題になっているのは上記の赤丸の場所です。
ここは本来六角形の場所のため、正確に断面をトレースする必要がありませんでした。
そのため、この段階ではまっすぐモデリングすることで
解決できると思います。

修正したいイメージ

まずは、トリムツールを使用してこの部分を削除します。

トリムツールを選択した状態で左クリックしながらマウスを動かすことで、
赤色の削除ラインが表示されます。

この赤い線と消したい線が触れると、削除できます。

削除したら直線ツールと編集ツールを使って、それぞれのラインを延長していきます。

まずは、横のラインを作成します。
次に上の点を選択して延長します。

すると、このように交点になる部分に目印である白いマークが打たれます。
ここまで縦のラインを延長してきます。

できたら、伸ばしすぎた横の線を再度調整します。

するとこのように再び青く塗りつぶされます。
これでOKを押すと

このように先ほどまで飛び出していた部分がなくなりました。

これで、おおよそモデルの全体をモデリングすることができました。

フィレットを行う

最後にフィレット処理を施して、細部を再現していきます。

まずは、現段階の偏差を確認してみます。
スキャンデータを表示した状態で、偏差のボタンを押すことでカラーマップ表示ができます。

0.2mm以内の精度でモデリングできた部分はほとんどが緑色に表示されます。
エッジを見てみると、エッジの部分が青く表示されているのがわかります。
これは、スキャンデータに対してモデリングしたものが、大きすぎるということを表しています。
そのため、フィレットをかけてこのエッジ部分が偏差内に収まるように調整していきます。

モデルを選択した状態で、「メイン」→「フィレット/面取り」を押します。

フィレットをかけたい部分をクリックすると黄色に選択されます。
半径の欄に任意の数値を入力することで、フィレット当てることができます。
フィレットの半径は偏差を確認しながら少しずつ調整してください。

同様に、フィレットが必要な場所を選択して調整してください。

こうして完成したモデルがこちらです。

スキャンが出来ていなかった内側の部分は赤くなったりしていますが、
モデルのおおよそ全体が0.2mm以内の精度でモデリングすることができました。

完成したモデル



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