「LEGO競争にも模倣にも負けない世界一ブランドの育て方」という本を読みました。
レゴと言えば多くの人が レゴ・ブロックを思い浮かべると思います。
あのGoogle創業者達も筋金入りのレゴファンで、起業した大学時代にレゴをいじりながら新サービスや事業構想を練り続け、更には「Google」ロゴの4色のうち赤、青、黄はレゴの基本ブロックからの着想を得たとのこと。
また自動車業界でドイツのフォルクスワーゲンは、開発したシャーシ、エンジン、トランスミッションなどの共通部品をレゴブロックのように組み合わせて異なる車種を効率的に生産する方式「モジュール開発」をいち早く導入して一時、世界販売台数一位になったが、トヨタ自動車も追随して「モジュール開発」を導入し巻き返したそうです。
このようにレゴは子供達向け、だけではなくビジネスの世界にも根付いていることを理解しました。
レゴは、1916年にデンマークで大工だった創業者が木製玩具の製造販売を目的に誕生した会社で、
現在、世界で社員数約2万人の大企業です。
なので強力な特許で強力に守られていると思いきや、実は基本特許は1980年代から各国で期限切れになっているのです。
にもかかわらず拡大路線を突き進んだ上に、多くの会社から模倣品が売り出され、コモディティ化により、倒産の危機に瀕した時もあったようです。
しかし、新たに就任したCEOによって、自社が提供するコアの強みを再検討して、社会におけるレゴの存在意義を定義し直したことで、価値創造型の企業に生まれ変わったそうです。
どのようにしたらレゴのように独自の価値を生み出せる会社になれるのか?
その答えは次の様に書かれていました。
企業経営は、競合との比較に目線が奪われるが、重要なのは「自分たちの強みは何か」「自分たちが過去→現在→未来を通じて生み出し続ける価値は何か」を探索し意味付けすることを繰り返すこと、つまり存在意義を憲法のように定めて終わりではなく生きた物語に変えてアップデートすることだと。
今、日本では低生産性が政治問題にもなっています。
労働生産の国際比較でもOECD加盟38カ国の中で23位と低位に定着しています。
競合との価格競争に明け暮れていることが原因の一つでもありますが、
そもそもが存在意義の定義がなされていないか、又は絵に描いた餅になっているように思います。
この激変する世界、超少子高齢化が加速する日本において、
レゴ復活の事例は非常に学び多いと感じた本でした。