今回のブログでは、3Dプリンタでモデルを造形する際に、
知っておいてほしいブリッジ構造について詳しく解説します。
このブリッジ構造を上手く活用することができれば、造形時間の短縮に繋がります。
ブリッジとは?
ブリッジとはその名前の通り、モデルの中で橋のようになっている場所のことを差します。
下記のようなモデルがその例です。

FDM方式3Dプリンタで造形する場合、中空部の下にはサポート材が作成されます。
この例の形状は非常にシンプルなため、サポートつきでもプリントできますし、他の面を接地面とすることでサポートなしでも出力可能です。
しかし、それが下記のような形状になると、造形は格段に難しくなります。

まずは、サポートを使用した場合、そのほとんどの部分にサポートが必要となるため、モデルより多い材料が必要になったり、造形時間が増加してします。
また、サポートが付いた場所は汚くなってしまったり、薄い形状のため、取り外しの際に破損してしまう恐れもあります。

そのため、サポートはできるだけ使わない方が良い場合があります。
このような形状をサポート無しで造形するのが「ブリッジ」です。
実際に造形してみる
では、実際サポートなしでどれくらい造形することができるのか確かめてみたいと思います。
今回はまず、特別な設定はなにもせずに標準の設定で行いたいと思います。
造形条件
●ノズル径 : 0.4mm
●積層ピッチ : 0.2mm
●材質 : PLA
●ノズル温度 : 210℃
●造形速度 : 50mm/s
●サポート : なし
造形するモデルについて

このモデルはブリッジ部分の長さがそれぞれ変えられており、
どれくらいの長さまで、キレイに造形できるのか確認することができるモデルです。
さっそくこのモデルをインポートし、「サポートなし」の状態でスライスしてみます。
すると下記のように支えがないため、スライスソフトがオーバーハング部分として認識している場所が青色で表示されています。

また、PrusaSlicerではこのような場合、

上記のようなエラーが表示されます。
これは、オーバーハング部分があるため、造形が失敗する可能性があることを示しています。
今回はこれを無視してこのまま造形を進めます。
実際に造形してみる


このようにデフォルトの設定でも、サポートが無くてもブリッジ部分を造形できることがわかります。
しかし、モデルをよく見てみると、長い距離のブリッジの箇所は積層同士がくっついていない場所やキレイに敷き詰められていない場所があります。


予告
次回のブログでは、この結果をもとに、長いブリッジをキレイに造形するための設定について
ご紹介したいと思います。
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