FDM方式3Dプリンタで使用できる材料は、PLAやABSなどの3Dプリンタでよく使われる材料以外にも、PC、PP、PETGなど様々な材料があります。
今回のブログでは、そんな沢山のフィラメントを保管する際に気を付けてほしいことについて
ご紹介したいと思います。
フィラメントの保管方法
市販されているフィラメントの多くは1kg巻きがほとんどです。
これらのフィラメントは多くの場合一度で使い切ることがないため、別の材料を使用したい場合には取り外して保管していると思います。
そのフィラメントを後日使用したとき、「プリント品質が安定しない…」「フィラメントの使い始めは調子いいのに途中でダメになる」というような経験をされた方もいると思います。
これらの原因が 実は“フィラメントの劣化”の可能性があります。
フィラメントが劣化してしまうわけ
そんなフィラメントが劣化してしまう原因の1つが吸湿です。
フィラメントの原料であるプラスチックには実は細かい隙間があります。
そこに空気中の水分が入り込んでしまうことでフィラメントが劣化してしまいます。
一度吸湿してしまうと、除湿するのは大変なため、できる限り吸湿させないことが重要です。
また、フィラメントの劣化速度は吸湿性が異なるため、
全ての材料が開封後、すぐに劣化してしますわけではありませんが、
PA(ナイロン)などの吸湿率の高い材料はわずか1日程度で劣化してしまうこともあります。
フィラメントが吸湿した際に起きる症状
①気泡の発生
吸湿している状態のフィラメントが高温に熱されたノズルを通る際に、
パチパチという音がすることがあります。
これは、取り込まれた水が沸騰し、水蒸気となることで発生します。
吐出されたフィラメントがぶつぶつになったりします。
②糸ひき
糸引きは、3Dプリンターで造形した造形物に糸のような樹脂がたくさんつくことがあります。
こちらに関しては以前のブログでもご紹介させtいただきました。
③品質低下
モデルが完成しても、層の中に気泡が入った状態になっていると、
層同士の接着性が悪くなり、割れやすくなったり、見た目が悪くなることがあります。
吸湿を防ぐためには?
これらの劣化を防ぐためには材料の保管方法が重要です。
私の場合は、防湿庫と呼ばれるものに保管しています。
造形中も吸湿は進行してしまうため、密閉された専用のケースを使用するのがオススメです。

また、一部の3Dプリンタには造形中の吸湿を防ぐために、
材料をセットしておく場所にヒーターが入っている機種もあります。

これの機能があれば、長時間の造形であってもフィラメントを劣化させることなく、
安定して造形することができます。
この機種が気になる方は下記のページをご確認ください。
→ https://systemcreate-inc.co.jp/products/creatbot-d600-pro2-hs
まとめ
今回はフィラメントの保管方法についてご紹介させていただきました。
もうすぐ梅雨の季節となり、フィラメントが吸湿しやすい気候になります。
今のうちに吸湿への対策をしっかりとして、3Dプリンタを活用してみてください!
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