先日のブログにて、積層痕を滑らかにするための設定についてご紹介させていただきました。

今回は、この中でご紹介した積層ピッチを可変させながら造形できるようになる
「可変レイヤー高さ」機能について、より詳しくご紹介したいと思います。

可変レイヤー高さの設定方法

設定方法は大きくわけて2通り用意されています。

手動で調整する方法

手動で調整する場合には画面右側の青いラインが描かれたバーを使用します。

初めに可変レイヤー高さを開くとこのようにすべてがグレーになっています。
今回はノズル径0.4mm積層ピッチ0.2mmに設定していますので、
この青いラインが設定値の積層ピッチ値0.2mm(基準)になります。
この状態だとモデルすべてがグレーになっており、0.2mmピッチで造形されるということになります。

マウスカーソルをバーの上に移動させると

下記のようにモデルとバーのそれぞれに黄色いラインが表示されます。
このように左のバーとモデルは連動しています。

試しにこの位置で左クリックを長押ししてみると、

このようにバーの青いラインが左側に引き延ばされ、グレーから緑色に変わっています。
また、モデルにもグリーンのラインが追加されています。

このとき、青いラインは0.057mmの積層ピッチになっています。
しかし、この値では細かすぎるため、造形が難しいです。
そのため、手動で設定するときはあまり細かく設定しすぎないようにする必要があります。

次は右クリックで選んでみます。

すると今度はオレンジ色になり、積層ピッチが0.3mmになっています。
これは指定した箇所を積層ピッチを大きくして、早く造形する設定です。

黄色の選択範囲を広げたい場合は、バー上でホイールをスクロールすることで
拡大/縮小することができます。

この設定を削除するには、

リセットボタンを押します。

自分で積層が荒くなる位置がわかる場合や、
細かく造形したい場所がある場合はこの機能を使用すると便利です。

自動で選択する方法

手動での設定は、ある程度3Dプリンタの設定に詳しくなると有効ですが、
多くの場合、難しいです。
細かくしすぎると造形が複雑になったり、失敗の原因になります。
そんなときは、自動での設定がおすすめです。

自動の設定は、こちらのポップアップの真ん中の
「アダプティブ」とその横の品質/スピードのバーから設定します。
どちらを優先して造形したいかで設定を変更することもできます。

アダプティブのボタンを押すと、

このように自動でモデルの形状に応じて可変ピッチが設定されます。
積層が荒くなると目立つような場所は自動で細かいピッチが設定され、
粗くても目立ちにくい場所は粗いピッチで設定されます。

品質優先の設定

スピード優先の設定

自動生成機能を使用した場合、バーの青いラインが極端にとがると造形が難しくなる場合があります。
そんな時はスムーズの機能を使用します。

スムーズは指定した半径(スムーズの大きさ)でピッチの変化をスムーズにします。

スムーズ化適応前
スムーズ適応後

上記のようにギザギザしていた青いラインがスムーズかされ滑らかになったことがわかります。
最小に保つを有効にすると、最小層高さ(緑色)はスムーズ化されず、最小値のままになります。

まとめ

今回はPrusaSlicerで使用できる「可変レイヤー高さ」機能について
詳しくご紹介させていただきました。
この機能を上手く活用することで、品質を犠牲にすることなく短時間でモデルを造形していただけるようになると思います。


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