以前のブログでは3Dスキャナの種類やデータの取得方法の違いなど3Dスキャナを活用する上で知っておきたい基本的な知識についてご紹介しました。
今回は、実際初めて導入する際にどんな風に機種を選定していけばよいのか、
活用用途ごとにご紹介したいと思います。
3Dスキャンを始める上で必要なもの
3Dスキャナは本体単体だけでは使用することができません。
そのため、本体とは別にデータを取り込むためパソコンが必要になります。
ここまでは一般的だと思いますが、この2つだけでは活用することはできません。
そのあとの用途に合ったソフトウェアが必要になります。

そのため、3Dスキャナを使って、どんなことがしたいのかあらかじめ決めておく必要があります。
それによって選定する機種が大きく変わってきます。
用途1 : リバースエンジニアリング
まず用途として最もメジャーなのがリバースエンジニアリングです。
実物を3Dスキャンしてデータ化し、製品の開発・改善、治具の作成などに活用します。
リバースエンジニアリングを行う上で追加で必要になるのが、
リバースエンジニアリング用のソフトウェアです。
これがなければ、3Dデータを活用することは非常に難しいです。

リバースエンジニアリングを行う場合には、3Dスキャナは作成したいものの大きさで決めると良いと思います。
精度・解像度も、もちろん必要ですが、スキャンデータをベースにモデリングを行っていくため、
実は、そこまで精度がなくても作業することが可能です。
そのため、大きいものをリバースしたい時はハンディタイプ、小さいものの場合は据え置きタイプなど、対象のサイズで機種を選定すると良いと思います。
私がブログの中でご紹介している3Dスキャナであるpeel 3は、オプションとしてpeel.CADが選択できるため、リバースエンジニアリング専用ソフトが無くても3DCADさえあればリバースエンジニアリングを行っていただけます。
用途2 : 検査・測定
次に多くのユーザが活用しているのが検査・測定用途です。
3Dスキャンデータを活用した検査・測定は、アナログの測定ツールでは難しい場所の測定が可能になります。
例えば、切断しなければ測定が難しい部分の肉厚測定や、湾曲した複雑な形状、自動車や飛行機のような大型対象物も測定可能です。
検査ソフトを使用することで、3DCADの設計データを3Dスキャナで取得した測定データとのカラーマッピングによる比較検査なども簡単に行えるようになります。

検査の用途で使用する場合、スキャン精度は公差の基準が厳しくなほど重要になります。
ですが、どれだけ精度が良い3Dスキャナを選定しても、公差がかなり厳しい検査の場合、3Dスキャナでは対応することは難しい場合もあります。
そのため、検査で使用する3Dスキャナを選ぶ際には、精度はもちろんですが、レーザの種類など、どれだけデータを欠陥なく、キレイにスキャンできる性能があるのか考慮する必要があります。
用途3 : デジタルアーカイブ
デジタルアーカイブは、3Dスキャン技術を用いて文化財をデータ化し、保存することをいいます。
アーカイブ化することで物体のように劣化することがなくなり、半永久的に保存が可能になります。
主に、博物館などに保管されている絵画や工芸品、化石などの保存に活用されている技術です。
デジタルアーカイブ化をすることで、文化財に触れずとも資料を確認できるようになり、現物の破損や劣化の進行を防止、復元・修復等に役立てることができます。
デジタルアーカイブの用途で3Dスキャナを活用する場合に重要なのはターゲットマーカを使用せずともスキャンできる機種です。
形状から位置合わせを行うことができる3Dスキャナであれば、文化財などの資料に傷をつけることなくスキャンすることができます。
カラーで保存したい場合にはカラースキャンができる機種が必要になります。
peel3はターゲットマーカなしでスキャンでき、また、カラースキャンにも対応しています。

まとめ
3Dスキャナを選定する際には、あらかじめどんな用途で3Dスキャナを活用していくのかを考えることが重要です。
それに合った最適な3Dスキャナを導入することで、初めて3Dスキャナのメリットを感じていただくことができると思います。
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