3Dスキャナで取得したデータと設計データ(CAD)を照らし合わせれば、「思った通りの仕上がりになっているか」を簡単にチェックできる——。
そんな3Dスキャン検査に特化したソフトが「Geomagic ControlX」です。ノギスなどのアナログツールでは測定が難しい複雑な形状の評価にも使えるとあって、3Dスキャナの活用の幅をさらに広げてくれるアイテムです。
今回は、このGeomagic ControlXを実際に使って、初めての3Dスキャン検査に挑戦してみました。
検査に必要な準備
3Dスキャン検査なので、当然ながら3Dスキャンデータが必要です。今回は初回ということもあり、テスト用のサンプルデータを使って検査を進めていきます。

STEP1:スキャンデータとCADデータを読み込む
まずはControlXを立ち上げ、スキャンデータ(.stl)とCADデータ(.step)を読み込みます。
読み込むと、画面左側に「参照データ(CAD)」と「測定データ(スキャンデータ)」が自動で振り分けられて表示されます。

STEP2:2つのデータの位置を合わせる
検査を始める前に欠かせないのが「位置合わせ」です。CADデータとスキャンデータの座標がズレたままでは、正しく比較することができません。
ここで活躍するのが「初期座標合わせ」という機能です。

この機能を選択すると、
- クイック
- 正確
の2つのモードが表示されます。どちらも2つのデータの形状的な特徴をもとに、自動で座標を合わせて重ね合わせてくれる機能です。
今回は初めての検査ということで、「クイック」を選択。チェックマーク(✓)を押すと——

2つのデータがぴったりと重なりました。位置合わせは自動で行われるため、
初心者でも迷うことなく完了できました。
STEP3:3D比較を実行する
位置合わせが終わったら、いよいよ検査本番です。画面上部の「3D比較」ボタンを押すと、
比較条件を設定する画面が表示されます。
ここで設定できる主な項目は次の4つです。
① サンプリング比率
偏差の計算に使う測定データの割合を指定する項目です。
| 設定値 | 内容 |
|---|---|
| 25% | 対象データの約25%を使って計算 |
| 50% | 約半分のデータを使用 |
| 100% | すべてのデータを使用 |
数値を小さくすると計算時間は短縮できますが、細かい局所的な誤差を見落とす可能性があります。
目安としては、大きなメッシュデータや試行段階の計算では25〜50%、最終検査では100%を使うのが基本です。
① サンプリング比率
偏差計算に使用する測定データの割合を指定します。
- 25%:対象データの約25%を使って計算
- 50%:約半分を使用
- 100%:すべてのデータを使用
数値を小さくすると計算時間を短縮できますが、細かい局所的な誤差を見落とす可能性があります。
大きなメッシュや試行計算では25~50%、最終検査では100%が基本です。
サンプリング比率は、選択したデータ点を指定割合で抽出する設定です。
② 方法(形状 / 厚さ)
偏差値の計算方法を選ぶ項目で、「形状」と「厚さ」の2種類から選択します。
形状 比較する面同士の最短距離をもとに偏差を計算する方法です。そり・へこみ・膨らみといった、表面全体の形状誤差を確認したいときに向いています。投影方向の影響を受けにくく、一般的なカラーマップ比較として使いやすいのが特徴です。今回のようなギヤ形状で、スキャンデータとCADモデルの外形差を全体的に確認したい場合は、まずこの「形状」を使うのが基本です。
厚さ 対向する面同士の距離、つまり「肉厚の差」を計算する方法です。以下のような用途で使われます。
- 鋳物や樹脂成形品の肉厚確認
- シェル形状の厚み比較
- 内外面の厚み変化の確認
- 積層造形品の壁厚確認
外側の面がCADデータ通りでも、内側の面がズレていれば肉厚は変わってしまいます。そうしたケースを確認したいときは、「形状」ではなく「厚さ」を選びましょう。
③ 投影方向・最大偏差・許容値
このほか、偏差を計算する投影方向や、色分けの基準となる最大偏差値、良否判定の基準となる許容値も設定できます。
今回は、以下の条件で検査を行いました。
許容値:±0.1mm
サンプリング比率:25%
方法:形状
投影方向:最短
最大偏差:自動
STEP4:検査結果を確認する
設定が終わったら、最後に✓ボタンを押します。

すると、CADデータとスキャンデータの誤差がカラーマップで一目瞭然に表示されました。
今回のデータにおける最大偏差・最小偏差も同時に確認できます。

さらに、データ上で確認したいポイントにマウスカーソルを合わせれば、
その箇所のピンポイントの偏差値もチェックできます。
「全体の傾向」と「気になる箇所の数値」の両方を、直感的に把握できるのが便利なポイントです。
まとめ
今回は、Geomagic ControlXのカラーマッピング機能を使って、
初めての3Dスキャン検査にチャレンジしてみました。
Geomagic ControlXには、今回紹介したカラーマッピング以外にも、さまざまな測定機能が用意されています。
次回以降は、それらの機能についてもご紹介していきたいと思います。
目指せ!3Dスキャナマスターへの道をもっと見る
購読すると最新の投稿がメールで送信されます。